7月8日、夏山本番を前に朝日鉱泉からの登山道をチェックにいきました。各コースでの残雪状況、水場状況、花状況は以下の通りです。
●朝日鉱泉~鳥原山
雪は全くありません。金山沢の水は雪解けの増水期が終わり、通常時の水量に戻ったため、飛び石で濡れずに渡ることができます(写真①)
花状況:アカモノ、ハクサンシャクナゲ、ツマトリソウ、マイズルソウ
●鳥原山~小朝日岳
小朝日岳への登りの途中の斜面には例年に比べ少し多く残雪があり、この雪渓は登りは普通の靴のキックステップでも対応できますが、下りに利用する際には斜面も急で左の崖に落ちる危険性も非常に高いため、軽アイゼンとストックの使用をお勧めします。雪はあと1週間~10日くらいは残りそうです。(写真②)
花状況:シロバナニガナ、イワカガミ、アカモノ、ズダヤクシュ、ハクサンチドリ
●小朝日岳~大朝日岳
小朝日岳先の熊越え~銀玉水までの間にはヒメサユリがまさに満開の状態で咲き誇ります(トップページ写真参照)。雪を残した大朝日岳をバックに素晴らしい被写体となってくれました(写真③)。道の両側に登山者を迎えてくれるように群落している姿には感激しました(写真④)。ただ、この状態はせいぜいあと一週間といったところでしょうか。
銀玉水は大朝日の小屋の管理人さんが雪を掘って出してくれたため、今ではしっかりと朝日連峰一の水を提供してくれています。(写真⑤)銀玉水前の一番の雪渓箇所は今年もまだまだたくさんの残雪があります。最低気温が上がっているため、雪がカチカチになることは少ないので、キックステップでも上り下りできますが、下りは慎重に歩む必要があります(写真⑥)。
大朝日岳避難小屋には管理人さんがいました。挨拶をして少し話をしましたが、やはり春先の低温の影響か、残雪の量が多いということでした。金玉水は残雪が4m以上残っていて、まだまだ掘り出すことは難しく、あと2~3週間程度かかるのではないかということです。この先夏中は滞在し避難小屋や周辺の管理をしていただけるということでした。本当にありがたいことです。
花状況:ヒメサユリ、チングルマ(受粉後の羽毛状のもの)
●大朝日岳~御影森山
大朝日岳山頂から平岩山方面にはヒナウスユキソウ(ミヤマウスユキソウ)が見事に群落しており目を楽しませてくれました(写真⑦)。以前から迷いやすいと言われていた平岩山手前の北大玉山・祝瓶山への分岐には昨年10月に環境省で道標が新しく建てられており(写真⑧)、これで迷うことはなくなりそうです。
大沢峰の水場は下りてすぐに雪渓が残っており、水場はわかりませんでした。ただ、少しですが雪解け水が流れており、なんとか汲めそうでした(写真⑨)。御影森山山頂は相変わらず素晴らしい眺望で、残雪が山々の谷筋をくっきりと浮かび上がらせて山容がより映えて目を楽しませてくれました(写真⑩)
花状況:ヒナウスユキソウ(ミヤマウスユキソウ)、アカモノ、チングルマ、ムカゴトラノオ、ハクサンイチゲ
●御影森山~朝日鉱泉
御影森山山頂から下り始めるとすぐにヒメサユリの群落地帯になります。こちらもかなりの数のヒメサユリが咲きますが、こちらは南向き斜面のため雪解けが早く、見頃は過ぎていました。そういえば、約20日ほど前にこちらのコースで大朝日から下山してきた登山者がヒメサユリがたくさん咲いていてきれいだったと話していました。それでもそれなりの数が咲いていて美しいです(写真⑪)。上倉山の水場はしっかりと水が出ており利用可能です(写真⑫)。
花状況:ヒメサユリ、ニッコウキスゲ(咲き始め)
今回チェックしてきたコースではこの時期、本当にたくさんの花を愉しむことができます。水場もほとんどの場所で利用可能です。この周遊コースは総距離が25km程度あり、非常にロングコースなので日帰りはお勧めしませんが、尾根上を歩く距離も長く、縦走しているような雰囲気を味わえます。天気が良ければ、青空の青と、深緑の緑、残雪の白のコントラストで山々の眺めは最高です。梅雨の真っただ中ですので、天候が安定しないのがネックですが、機会があればぜひ歩いていただきたい時期です。
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