5月上旬の晴天・高温により足早に芽吹きが進み、木々の葉も萌木色から深緑へと色の濃さを増してきています。雪解けも進み、清流朝日川も毎日雪解け水で濁り、増水しています。山の中では、山の恵みの山菜が次々に出始めています。
2日ほど前、よくヤマウドを採りに行く沢に例年より少し早めに入ってみました。芽吹きの進み具合に比べると残雪の量は、例年より少し少ない程度で意外に遅く、ウドもさほど出ていませんでした。仕方がないので、頃合いのゼンマイも採ることにしました。
沢の入り口が急で滝なので、行きは少し巻いて何とか入るのですが、いつも帰りは山菜を採る崖を尾根まで登り切ってしまい、尾根伝いに下りてくると安全で楽なので、今回もそのようにしました。
目印にしている尾根上のブナの巨木まで登ると、ふと足元に大きなウ○コが…。そんなに新しいものではありませんでしたが、明らかに
小動物のものではありませんでした。朝日連峰の主、ツキノワグマです。目の前のブナの幹を見ると、案の定、爪痕がついていました。
さらに尾根伝いに下っていくと、またしてもブナの巨木に、今度はたくさんの爪痕が…。よく見
ると、爪の間隔が大きいものと小さいものがあり、手のひらの大きさが明らかに違う爪痕があります。これは親子…。しかも見た感じ、爪傷によって見えている樹皮がそれなりに新しく…、今年はこの尾根伝いを通り道にしている親子のクマがいるようです…。さすがに親子クマには出くわしたくなく、声を出しながら、足早に登山道まで下りました。
動物たちも待ちわびた春が来て、活発になっていますね。ちなみに、田中陽希さんのグレートトラバース15minの朝日岳版でも、中ツル尾根上(7合目~9合目あたり)でたくさんのクマの痕跡を見つけていましたが、当然のことながら朝日連峰にはツキノワグマが生息しています。大型の哺乳類が生息しているということは、それだけ自然が豊かで、広大に残っているという証拠で、誇るべきことなのです。しかもこれまで、朝日連峰に登山に来て、登山者が登山道上でクマに襲われたという話は一度も聞いていません(父の代から40年間)。ですが、人間はクマ鈴などの対策は当然行ない、クマも人の気配がしたら静かに場所を移動して(よろしくお願いします)もらい、動物と人間の衝突がないようにお互いに配慮して、朝日の大自然を満喫していただきたいものです。ちなみに、クマはその年によって通り道を変えているようで、たまたま昨年は中ツル尾根が通り道だったようです。一昨年以前は中ツル尾根でクマのウ○コを見ることは、ほとんどありませんでした。
さぁ、ゼンマイをはじめ、山菜が本格的に出てきています。
山菜には、ひと冬分溜め込んだ山の濃厚なエキスがたっぷり含まれていて、これ以上ない美容・健康食材だと思っています。
山の恵みを分けていただき、皆さんの宿泊の折には、朝日連峰の山の幸でおもてなしいたしますね。
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