朝日鉱泉のテラスからは真正面に大朝日岳山頂が見えます。4月20日以降、山小屋開けの掃除や雪囲い外しをしていました。しかし、大朝日岳を前に居ても立ってもいられず、しばらく晴天が続くという予報も出ていたので、つい様子を見がてら登ってくることにしました。布団も干したかったので、昼には戻ってくるという自分の中での誓いを立てていきました。
出発して2合目「出合い」までの4kmは雪が全くありません。途中何度か渡る沢にも、いつも必ず雪崩で雪山ができている「マス止めの滝」過ぎの斜面にも、雪は全くありません。こんなことは初めてです。登山道も少しは崩れているものの、いつものような大きな崩れは見られませんでした。
2合目からの急登も雪はなく、3合目を過ぎてようやく雪を踏むところが出てきました。地面が出ているところでは、春先の花である「イワウチワ」と「カタクリ」が一面咲いています。いつもよりはだいぶ早いと思われます。
雪を踏んだり、地面を歩いたりを繰り返し4合目まできましたが、ここからの斜面は一面雪に覆われ、斜度も結構あるので、軽アイゼンを装着し雪上を進むことにしました。
中ツル尾根は基本的に尾根が1つではっきりしているので、視界さえはっきりしていれば、枝尾根に間違って行ってしまったり、ルートがわからなくなるということはあまりありません。今年はこの時期ですでに、登山道が途中途中で見えているということもあり、順調に登山道沿いに高度を稼げました。
8合目付近まで登り、もうすぐ頂上というところで9:30になったため、かなり思い悩みましたが、昼までに戻ることを考え、後ろ髪を引かれる思いで泣く泣く下り始めました。
雪の上で下りやすかったということもあり、昼には予定通り戻ってくることができました。いつもは昼になると雪代が入って増水して渡渉になりやすい途中の沢も問題ありませんでした。
午後からは午前中登ってきた大朝日岳を眺めながら、たっぷりの日差しで布団を干すことができました。
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