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白滝➝鳥原➝大朝日岳➝中ツル登山ルートチェック

沢にかかる橋が壊れていますがすぐ横を簡単に渡れます(増水時以外はほぼ濡れず)
沢にかかる橋が壊れていますがすぐ横を簡単に渡れます(増水時以外はほぼ濡れず)

晴天予報の5月30日(火)早朝、数年前の大雨で林道が不通になっていた白滝登山口より、大朝日岳への登山ルートチェックを行いました。白滝登山口は以前は朝日嶽神社のある鳥原山までの最短ルートとして登山者が非常に多かった登山道です。数年前の大雨で林道が入口付近で不通となり、また登山道前半の沢にかかる橋が壊れてしまい、まだ復旧に時間がかかるということもあり、登山者が減っていますが非常に登り易いルートです。

▲登山道中に「山神」レリーフ
▲登山道中に「山神」レリーフ
▲登り途中に非常に美しい若いブナの森
▲登り途中に非常に美しい若いブナの森

▲登りの最後で100mほどの残雪あり
▲登りの最後で100mほどの残雪あり
▲登り終わると視界が開け中央右に鳥原小屋の屋根が見える。左奥には御影森山。
▲登り終わると視界が開け中央右に鳥原小屋の屋根が見える。左奥には御影森山。

▲美しい木道と池塘。ミズバショウが咲いていました。
▲美しい木道と池塘。ミズバショウが咲いていました。

 約2時間ほどで鳥原小屋の見える木道に到着。登りで一カ所残雪がありましたが、問題ありません。鳥原小屋周辺の木道や道標は見えていますが、水場は雪に埋もれてまだ利用できません。小屋やトイレは利用可能です。

 小屋前で小休止の後、山頂を目指します。木道が終わってす

ぐに雪で道はみえなくなります。軽アイゼン装着が望ましいです。そこから山頂まで約1kmは残雪斜面でルートも非常にわかりずらくなります。誤った方向、尾根、沢筋に下りたりしないように気をつける必要があります。山頂先の鳥原展望台付近は雪も解けていて眺めも素晴らしいです。

▲ルートが全く見えません。左奥へと斜面を登るのが正解です。
▲ルートが全く見えません。左奥へと斜面を登るのが正解です。
▲展望台付近はタムシバやツツジが咲いていて春の様子。右奥に小朝日岳、中央左に大朝日岳が望める絶好のビューポイント!
▲展望台付近はタムシバやツツジが咲いていて春の様子。右奥に小朝日岳、中央左に大朝日岳が望める絶好のビューポイント!
▲軽アイゼンを付けた方が断然早く快適。無しでも行くことは可能ですが…
▲軽アイゼンを付けた方が断然早く快適。無しでも行くことは可能ですが…
▲真ん中から右奥に伸びる残雪たっぷりの北側斜面を小朝日岳まですすみます。軽アイゼン必須!
▲真ん中から右奥に伸びる残雪たっぷりの北側斜面を小朝日岳まですすみます。軽アイゼン必須!

 展望台を過ぎて小朝日岳へと続く尾根に取りつくと、例年7月上旬まで残る北側斜面の残雪がまだ2km程度続きます。こちらは斜度も急なうえに、小朝日岳に向かって右側は谷へ切れ落ちていて、万一雪で滑ってしまうとそのまま谷まで落ちてしまいますので、軽アイゼン(6~10本程度、できれば前爪ありがベスト)とストックもしくはピッケルが必須です。雪自体は柔らかいので、キックで雪に刺すことは容易です。

▲小朝日岳山頂は雪はありませんが今日は風が強く停滞できず、すぐに出発…
▲小朝日岳山頂は雪はありませんが今日は風が強く停滞できず、すぐに出発…
▲銀玉水の水場は雪が彫られていて給水可能!
▲銀玉水の水場は雪が彫られていて給水可能!
▲熊越の雪渓。吸い込まれそうな迫力!
▲熊越の雪渓。吸い込まれそうな迫力!
▲朝日連峰一の名水!冷たくて手がシビれます。最高にありがたく、おいしい雪解け水!!
▲朝日連峰一の名水!冷たくて手がシビれます。最高にありがたく、おいしい雪解け水!!


 小朝日岳山頂を過ぎると、熊越~銀玉水までは雪は踏みません。銀玉水の名水が出されていたので給水でき非常に助かります。銀玉水の目の前からは、こちらもいつも遅くまで雪の残る斜面で、当然たっぷり300m程度の雪の急斜面になります。雪は柔らかいのでキックで刺さりますが、軽アイゼン装着の方が断然早いことは言うまでもありません。

▲銀玉水の看板前からの一面の雪斜面。まっすぐ登ります。
▲銀玉水の看板前からの一面の雪斜面。まっすぐ登ります。
▲なかなか急な斜面で、最後の踏ん張りどころ。キツイです。
▲なかなか急な斜面で、最後の踏ん張りどころ。キツイです。

▲銀玉水前の残雪を登り切れば小屋は目前!雪もなく快適な歩行。しばらく進むと中央左奥に大朝日岳山頂避難小屋がみえます。
▲銀玉水前の残雪を登り切れば小屋は目前!雪もなく快適な歩行。しばらく進むと中央左奥に大朝日岳山頂避難小屋がみえます。
▲避難小屋うらから山頂までの最後の登りを終えて山頂到着。ガスと風で視界も悪く、停滞できずすぐに下山開始…。
▲避難小屋うらから山頂までの最後の登りを終えて山頂到着。ガスと風で視界も悪く、停滞できずすぐに下山開始…。

 最後の残雪登りを終えて、避難小屋への道中は風が非常に強く、時折り体が持っていかれそうなほど。避難小屋は無人でしたがトイレ等も含めて利用は可能です。山頂も風が強すぎ、またガスで視界も悪く、早々に避難小屋を背にして正面の中ツル尾根を下り始めました。

▲山頂直下の残雪。下りでは靴スキーを楽しみました。
▲山頂直下の残雪。下りでは靴スキーを楽しみました。
▲6合目と5合目の間の残雪。危険はあまりありませんが、登りはルートを見失わないように注意が必要。
▲6合目と5合目の間の残雪。危険はあまりありませんが、登りはルートを見失わないように注意が必要。

▲4合目と3合目の間に大きなブナの倒木があります。下をくぐるなどして通る必要があります。
▲4合目と3合目の間に大きなブナの倒木があります。下をくぐるなどして通る必要があります。

 中ツル尾根上では、7合目~4合目までの間に何カ所か残雪があります。1つ1つがそんなに多くありませんが合計で200m程度でしょうか。アイゼンを付けるほどの箇所はありませんが、雪が柔らかいので登りでは足を取られてしんどいかもしれません。4合目の長命水は、水場に続く斜面が雪で覆われていて、危ないのでまだ利用できないと思われます。危険だったため、水場までは下りませんでした。

▲朝日鉱泉前より登ってきた大朝日岳山頂を振り返りました。やはりガスでぼやけ視界は悪そうでした。
▲朝日鉱泉前より登ってきた大朝日岳山頂を振り返りました。やはりガスでぼやけ視界は悪そうでした。

 出合(二俣)まで下りてくると、季節外れの暑さで、風もあまりなく、汗だくで朝日鉱泉まで戻りました。約9時間でのルートチェックでした。

 結果的に中ツルルートピストンでの登頂ではアイゼンなしでも可能、それ以外のルートを使う場合には軽アイゼン、ストックはこの先しばらくは必須と思われます。