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上倉の大クロベ整備

 2018年のブログでも紹介している「森の巨人100選」に選ばれている上倉の大クロベ(ネズコの木の別名:ヒノキ科)。5年前に草刈りをして以来、道も歩きやすくなり、見てきたという方が多くなったような気がしています。しかし、去年あたりからまた、「笹が茂ってきていて行くのが中々大変だった」という声がまた多く聞かれるようになってきました。そして今年もそのような声を何度か耳にし、「いいかげん草刈りをしなければならないな」とついに決心。前回、ナタと手鋸での草刈りで厳しい思いをしたので、大変ではありますが、草刈り機を担いで行くことにしました。

 上倉山への登りは朝日連峰一とも言われる急登ですが、天気も良く、早朝の涼しい時間帯から出発したため、2時間弱でクロベの入り口までたどり着くことができました。入り口へ設置した手書き看板は雪などによって割れてしまっていたりしましたが、まだ何とか読むことができ、見落とすこともないかと思います。

 いよいよ草刈り開始。入り口付近は灌木帯でそこまで下草もないため、道もわかり順調に進みます。しかし、1,2分も進むと、どんどん笹が多くなり、目印のピンクテープがあるから辛うじてわかるという状態に…。


 ここからは、文明の利器の草刈り機が大活躍!刃も新しくしたので、笹を中心にどんどん刈っていきます。たぶん春先はまだそこまで笹も茂っていないため道もわかったと思いますが、この時期以降は、諦めて引き返してきてしまうだろうと思うほどの笹やぶ…。ナタと手鋸じゃなくてよかったと心底思いました。これを手で刈っていたらと思うとゾッとします…。

草刈り機のお陰で20分ほどで、手前にある小クロベ(これでも十分立派で、これを見て満足して戻ってしまう人がたくさんいるほど)まで到着。大クロベへは左を通って行くのですが、ここから先はさらに激しい笹やぶ…。

でも心強い味方の草刈り機とともに、先へ先へと進みます。

 その後も20分ほど笹やぶと格闘しながら進むと、20mほど下った先にいました、いました、大クロベ。変わらず、しっかりと葉も茂り、元気そうに見えます。少し下って行った先に見えるので、遠くから全体像が見え、その大きさ、存在感がひときわ目立つような気がします。近くまで草を刈りながら行くと、根本付近には皮や枯れ枝が少々。ただ、やはり前に設置した看板はどこにもありません。それはまた今度設置しようと思います。とにかく、何より元気そうな姿に嬉しくなりました。

 ゆっくりの対面は後にして、まず入り口まで反対側の草刈りを済ませました。そして今度は手鋸で道に倒れてきている刈った笹や灌木をどかしながらまた巨木まで。

 今度はじっくりとクロベと対面し、こんな時は少し早いですが、クロベを眺めながらのおにぎりタイム。そこだけ時が止まったような不思議な感覚になりながら、おにぎりを味わいました。「ありがとう」なぜかこの言葉がふと漏れ出てしまいました。

 

全国に点在する巨木、名木は、保護の観点から根本付近には立ち入らないようにロープが設置してあったり、直接地面をふまないように木道があったりします。このクロベは特にそういったことはされていませんが、やはり保護の観点から、あまり近くにいかず、数メートル離れて見ていただきたいです。私がおにぎりを食べた場所も、少し手前の傾斜のあるところですが、そこからだと、むしろクロベの木全体を見ることができます。手前からで十分その迫力を味わえますので、ぜひ後世にこの巨木を残す意味でも、配慮いただくことを願っています。

 

これで、今年もたくさんの方にその姿を見てもらうことができるだろうと、勝手に満足して下山しました。登山道からこのクロベまでは行きは5分、帰りは少し登るので10分弱です。このコースを利用の際には、ぜひご覧あれ!!

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コメント: 1
  • #1

    鈴木ひとみ (木曜日, 06 7月 2023 22:24)

    お疲れ様でした!大変でしたね。おかげ様で安全に山を楽しめます。ありがとうございます。