③上倉山→御影森山→平岩山経由ルート  (大朝日岳まで8.5時間)

◆参考データ

登山ルート

朝日鉱泉→上倉山登山道→上倉水(水場)

→上倉山山頂→上倉の大クロベ(登山道から5分逸れる)→御影森山山頂→大沢峰水場(登山道から急坂5分)→大沢峰→平岩山→奇石群→大朝日岳山頂

ルートタイム

登り:8.5時間 

下り:6時間(それぞれ休憩時間含まず)

距離

 片道 約13km

水場

・弘法水…朝日鉱泉から10分の登山道に出ている湧水

・上倉水…上倉山登山道急登終わり(朝日鉱泉から約2時間)

     にある水場。一年中出ているが水量は少ない。

・大沢峰水場…大沢峰山頂手前(朝日鉱泉から見て)にある水

       場(案内看板あり)。登山道から離れ、非常に

       急な斜面を約5分下りる。水量も少なく乾燥期

       には湧出場所が下がる?ため、見つけにくい場

       合もあり非常時のみと考えた方が無難。

 

◆参考行程解説

▲上倉山急登後の水場
▲上倉山急登後の水場

 朝日鉱泉下のつり橋を渡り、弘法水、鳥原山への分岐を過ぎ、5分ほど歩くと谷間に開けたところに出ます。そこは昔、朝日鉱泉宿があった場所ですが(河原から鉱泉源泉が湧き出しています)、そこのすぐ先で登山道が分岐します。中ツル尾根登山道への道と上倉山・御影森山への登山道になりますが、左の上倉山方面へ進みます(案内看板あり)。つり橋を渡ると、一気に急登になります。ここは本当にキツイ登りで、下りでも両手両足をつかって慎重に下りなければならない個所がいくつもあります。この急登を1.5時間ぐっとこらえて登りきると「上倉水」といわれる水場につきます。水場を過ぎるとほどなくして上倉山の頂上につき、その周辺では大朝日岳、小朝日岳、鳥原山の素晴らしい眺望が楽しめます。

朝日連峰登山道上倉山からの大朝日岳
上倉山山頂付近からの大朝日岳(左)と小朝日岳(右)

 このルートは朝日鉱泉からのルートでは一番のロングコースです。特に登りでは上倉山、御影森山、平岩山、そして名もなき小ピーク多数と、いくつものアップダウンがあり、登りではかなりしんどいコースですので、できれば下りで、しかも前泊を大朝日岳山頂小屋でして、余裕のある状態で景色や景観を楽しみながら降りてくる行程を組むことをお勧めします。天気が良ければ、素晴らしい眺めの稜線歩きといくつもの見どころを堪能することができるはずです。基本的に朝日鉱泉登山口からしか行くことができないルートですので、使う人は少ないですが、行った人はかなりの割合で「大変だったけど行ってよかった」と喜んでもらえるルートです。

 

▲奥の幹回り9.27mのクロベの巨木
▲奥の幹回り9.27mのクロベの巨木

 頂上から少し進むと小さな看板があり、登山道から約5分入ったところに幹周(9.27m)の大クロベ(ネズコ)の木があります。手前と奥に2本大木があり、手前の大木でも十分大きいのですが、さらに奥にある大木が日本一の木ですので、くれぐれも間違わないように。

 その後は御影森山山頂への登りとなります。このあたりのブナはどれも立派なものばかりで見ごたえ十分です。本当に美しいです。御影森山の頂上は山頂らしい山頂で、眺めも抜群です。6月の中旬以降には、御影森山周辺ではヒメサユリが咲き、群落している箇所もあり、疲れを癒してくれます。

▲御影森山山腹のブナの巨木
▲御影森山山腹のブナの巨木
▲御影森山山頂付近のヒメサユリ
▲御影森山山頂付近のヒメサユリ

▲御影森山山頂より中央奥に大朝日岳山頂を望む。左側の稜線を歩くことになる
▲御影森山山頂より中央奥に大朝日岳山頂を望む。左側の稜線を歩くことになる

この先の大沢峰、平岩山までの間は、名前もない小さなものも含めて、ピークがいくつもあり、何度も登ったり下りたりを繰り返します。このアップダウンの繰り返しは体力を消耗し、うんざりするかもしれません。このルートの一番の難所でしょう。ただ、眺めの良い稜線上を歩きますので、縦走しているような雰囲気を味わえる箇所です。大沢峰の水場は案内看板はありますが、登山道から崖のような斜面をそれなりの距離下りなければならず、特に秋などは枯れてしまう場合もあり、あまりお勧めしません。

▲岩がいくつも立っている不思議な奇景
▲岩がいくつも立っている不思議な奇景

 平岩山をすぎると平らな岩がいくつも立っている不思議な場所を通過します。変わった景色で、霧も出やすいため、何か異世界に迷い込んだような感じがして面白いです。霧発生時には道間違いに注意してください。その先は大朝日岳への最後の登りです。目指す頂上はもうすぐですので、慌てずしっかりと登りましょう。